冷涼な気候に支えられた西中国山地には、特殊な動植物が生息・生育しています。それらを育んできたのは、原生的なブナ林や八幡湿原、人が関わってきた半自然草原などです。
1991年から95年にかけて旧芸北町教育委員会が実施した学術調査で学術的に貴重な発見が相次ぐ一方、大規模公共工事は着実に進み、野生動植物の生息・生育環境は徐々に減少している現状も明らかになりました。そこで、調査に携わった研究者たちからは環境保全の必要性が提起され、教育委員会を中心として、西中国山地やその里山が持っている価値や意義を伝えるための町民講座が実施されてきました。この取組を充実・発展させて生まれたのが「西中国山地自然史研究会」です。